たまちゃんの「早く神様になりたい」

円月島

『円月島』の穴を少しでも埋めようと思って集まったのか。それはその人たちしかわからない。

11月30日、月末の大変な時期に集まった。僕と合わせて3名だ。ひとりは朝一番の新幹線に乗ってやって来た。
もうひとり朝一番ではないのだけれど、通勤ラッシュの少し落ち着いた時間に西から電車に揺られてやって来た。

「おはよう」3人は挨拶を交わす。新幹線に乗ってきたやつは遠くから来たことの労いの言葉もなかった。西から来たやつはもちろんそんな言葉はない。

その二人は何か「心の逸物」を持ってきてるようだ。ひとりはその「逸物」を聞かなければ言わない。聞けば引いてしまうほどの内容。昔のやつはこんな「どっしり」と構えるようなことができたやつではない。

もうひとりは順調な仕事が関連会社の連鎖的なつまずきで呆気なく気持ちもお金も果てたようだ。

やつらの「逸物」を詳しく記述して同情など煽るつもりはない。結論は3人で集まってこの二日間で「傷の舐め合い」をするのだ。

叱咤をするのではなく激励をする。
僕はやつらに言った。「同一の悩みでも個々感じ方が違うから。重く感じ落ち込むやつも居れば、軽く流すやつも居る。同じ悩みでだ。

3人で紀伊半島を巡った。移動中の車の中で色んな話をした。身体が枯れるほど色んな温泉に入った。みんなもう身体は温泉づくしでカラカラ。

帰路に向かう途中「円月島」が僕たちの目の前に現れた。
ドーナツが半分埋まっているような島である。真ん中にポツンと穴が開いている。

やつら心の中はこんなのかも知れない。なんとなく言った言葉。「同じ悩みでも個々の感じ方は違うと思う。重く落ち込む人も居れば、軽く流す人だっている」って。

大阪に向かっている途中、3人で色んな話をした。傷の舐め合いもした。叱咤はせず激励をたくさんした。
到着する頃には僕たちの円月島のあなは少し小さくなったような気がする。

今度会うときはまた違うカタチの「円月島」で会って話をしたいね。
そんなことを回想した。

これはフィクションか、ノンフィクションかはお任せする。

でも「紀伊半島」嬉し楽しい旅でした。

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